タイトル 闘牛士、または天才について
筆者 李緑
出典 2ch 『バトルファック -ROUND36-』 スレ #24~#61に投稿
詳細 http://mimizun.com/log/2ch/eroparo/1235817741/ (過去ログ)
備考 掲載の都合上、改行位置を変更しています。原文は上記ご参照ください。


概要・ネタバレ感想
学園・スポーツものBF。村瀬くん無双回。村瀬くん超絶テクと女を悦ばせる理想的な大きさと形のペニスに嫉妬。


 今より少し未来の話。
性に対する考え方が解放的になり、セックスがスポーツとして認められた時代。
人々は、相手をどれだけ痛めつけるかを競うよりも、
どれだけ愛を与えられるかを競うようになっていった。
それがBF(バトルファック)と呼ばれるスポーツである。

 通常、それは男女で行われる。細かい部分を除けば、ルールは実にシンプル。
先に相手をイカせれば勝ち、イッたら負けだ。

 どんなスポーツにも天才がいるように、
BFにも、セックスの神様から愛された人間が、ごく稀にいる。
これは、そんな天才に関する、ちょっとしたエピソードである。





リハビリ短編

  闘牛士、または天才について



「弱きものよ、汝の名は女なり」
  ――シェイクスピア『ハムレット』




 ぐっと全身に力をこめる。
鍛えあげられた筋肉が躍動し、充溢した力を示すように、節々が盛り上がった。
ばちんっと、黒褐色の長棒が、きれいに割れた腹筋をしたたかに打つ。

 村瀬隆雄は、高校生でありながら、自らの意志でペニスの大きさを変えることができた。
外部の刺激を必要とせず、力をこめれば一瞬で固くすることができたし、
逆に我慢しようと思えば、どんな刺激を加えられても、ぴくりとも動かさずにいられる。
プロでもこれほど自分のものをコントロールできる者は、そういないだろう。
訓練と修養のたまものであった。

「誰からでもいいぜ。かかってきな」

 隆雄と対峙するのは、夜伽学園BF部の女子二十人ばかり。
身にまとうのは、公式ユニフォームの下着だけ。
マネージャーの手ですでにマットがしかれており、準備も万端だ。

 隆雄は余裕の態度で、仁王立ちしている。
二十人相手でもまだ不足だといわんばかり。
その整った容姿と、堂々たる体躯は、ギリシャ彫刻の英雄を髣髴とさせる。

「はい、先輩。ご指導よろしくお願いします」

 女子のうちの一人が、しずしずと歩みでる。
この春に入学した、一年の新人だ。名前を綾川春菜とかいったか。

「よし、それじゃ、どんな責め手でもいいから、とにかく全力でやってみて。
俺は一切反撃しないから」

「え、でも先輩……」

「いきなり俺が責めたら、君の練習にならないだろ?
大丈夫、俺は一年生に何されたって、イッたりしないから。思う存分、やってみて」

「は、はい、それじゃあ、いきますね」

 楚々として隆雄の前にひざまずく。
 謙虚に見えるが、目は笑っていなかった。
春菜は、その卓越した舌技の技術で、中学校時代にBF競技で全国まで行き、
その実績が認められ、余裕でBF推薦を勝ち取った実力の持ち主である。
所詮は一年生と、十把一絡げにされては面白くないのだろう。
「自分の技でイカせて、恥をかかせてやる」という無言の怒りが伝わってくる。

「んじゅ、ん、れろーっ……んふっ、ちゅっ」

 清楚な表情が一転して、下品にゆがむ。
舌でいやらしくねぶって、口内愛撫への期待を高めさせる。初歩的だが、重要な技術だ。
お嬢様風の春菜が、犬のように舌を使う様子は、確かにそそるものだったが、
隆雄はぴくりともしない。
 だんだん、春菜は意地になってきた。
舌でだめなら、唇と口腔を使うまでだ。かぽ、と春菜は亀頭に吸い付いた。

「うっ、んー、じゅるるるるっ、じゅぽっ、じゅずず……」

 巨大な亀頭を飲み込むのに苦労する。
中学生のものなら、どんな巨根でも一呑みにしていた春菜だったが、
隆雄の握りこぶしのような亀頭相手では、さすがにそうはいかない。
 逸物のタフさを見せ付けられて、春菜は戦意がくじかれそうになるが、
BFアスリートとしての誇りを奮い起こして、挑みかかる。

「んぽ、じゅる、ずぼぼ、じゅるるっ、ずぼっ」

 よだれがぼたぼたと落ちるのもかまわず、吸い付く。
 口の中ではぐるぐると不規則に舌を動かし、性感を巧みに引き出そうとしてくる。
もし春菜が風俗嬢なら、それだけで店の看板をはれるぐらいの技術だった。
だが、隆雄には通用しない。

 五分、十分……我慢汁を流すどころか、口の中で身じろぎ一つしない。
逞しいを通り過ぎて、化け物じみている。

「ん、ぷあ……はあ、はあ……」

「大丈夫か? 苦しかったら、無理をしなくてもいいんだぞ」

「ばっ、馬鹿にしないでください、私だってちゃんと……」

「馬鹿になんかしてないさ。一年にしては、かなり上手い。
……ほら、しゃべってないで、ちゃんと舐めて」

「うぐっ、ふう……む……」

 春菜は、責めているはずなのに、いつの間にか口腔粘膜を犯されているような
錯覚にとらわれはじめた。
熱く、固く、逞しい。舐れば舐るほど、その感触が舌に刻まれていく。

「んふ、ふう……うん、ちゅぱっ」

 春菜がこれまで中学校のBFで相手にしてきたすべての選手、コーチや大人も含めて、
これだけ我慢強く、そして力強いペニスをくわえ込むのは初めてだった。
口内の逸物に対して、愛おしさすら感じてくる。
隆雄に恥をかかせよう、などと考えた自分の浅はかさを内心で恥じた。

「んっ……ぜんぜん、歯が立たない……そんな、こんなことって……」

「最初は誰だってそうさ。練習すれば、上手くなる。
そうだな、誰か、一年にフェラのお手本を見せてやってくれ」

 隆雄が春菜の髪を優しくなでながら、上級生のほうを向いて言った。

「やります!」「私がやるっ!」

 どっと数人の女子が殺到し、春菜を押しのけて、ペニスの前にひざまずいた。
いっせいにペニスに口をつけ、舌を這わせる。名乗りをあげるだけあって、
このBF部でもテクニック自慢の女子ばかりだ。
ぐっと顔をよせあって、無言のうちに役割を分担しながら、責め上げていく。
亀頭やカリを二枚の舌が輪舞するように這い回り、玉袋は口の中にすっぽりと収められ、
パンチングボールのように舌でなぶられる。
春菜はその様子を、ちょっと不満そうに見ている。

「う、うわっ、そんなにみんなでせっついたら、一年から見えないじゃないか。
ちょっとは考えろよな」

 とうの隆雄はへっちゃらで、表情も変えない。

「みんな餓えてるのよ。仕方ないでしょう?」

 そう言って太陽のような微笑を向けてきたのは、副部長の河村麗華だ。
BF部の活動だけではなく、グラビアモデルとしても活動する彼女は、
誰もがうっとりするような美貌の持ち主だ。

 彼女のファイティング・スタイルは、綾川春菜のようなテクニシャン型と違い、
ずっとシンプルである。
自慢の美貌にものを言わせて相手を魅了し、メロメロの骨抜きになった選手を、
さっくりとイカせてしまう。
戦術がシンプルなだけに、麗華は戦いづらい相手でもあった。
テクニシャンにはテクニックで対抗できる。
しかし、どんなテクニシャンでも、
麗華の黒曜石のような眼で射られれば心かき乱さずにはいられないし、
花びらのような唇で愛をささやかれれば、平常心を保つことは難しい。
結果、不幸にも彼女の対戦相手になった男子高校生は、
日ごろの訓練の成果を発揮することも許されず、
いいように劣情を弄ばれた挙句に、あっさりと白濁液を噴出して果てるのが常であった。

 麗華は隆雄のあごを指ではさみ、くいっと自分の方へ向かせる。
これで、麗華の美貌から目をそらすことはできず、
その視線を正面から受け止めざるをえなくなるという寸法だ。
多少、BFで場慣れしているといっても、たかだか高校生。
麗華にこれをされると、たいていの選手はどぎまぎして、
主導権を一瞬のうちに手放してしまう。

 だが、隆雄はさんざん麗華と勝負しているので、もう慣れてしまっている。
正面から彼女の目を見据えて、言葉を返す。

「餓えてる? どういうことだ? 俺が来るまで、男子達とずっと練習していたんだろ?」

「まあ、そうだけどね……」

 声に侮蔑の色合いが混ざる。
見下したような表情も、麗華にあっては美しく見える。

「あんなのじゃ、欲求不満がつのるばかりよ。
うちの部の男子の情けないこと……ああ、隆雄君は別だけど……
半時間ぐらい練習したら、みんな『役立たず』になっちゃったわ。
女子の誰も満足させられなかったのよ。一年の子も含めてね!」

 見学している一年生達が、意味ありげに目をそらす。
視線の先には、情けなく倒れふした数人の男子たちがいた。
マットには、べっとりと白濁液が塗りこめられていて、
マネージャーがせっせと拭いている最中だった。

 とはいえ、それで男子達を非難するのは、さすがに酷というものだろう。
もともと、夜伽学園は、お嬢様学校として知られる女子高だった。
ずいぶんまえに共学化したのだが、依然として女子の数が多く、
美人の占める割合も他の学校と比べて多かった。
そういう中でBF部ができたのだから、
女子優位の状況になるのは当然の成り行きだった。
 全国的に言っても、BF部の男子の実力は低くない。
ただ、女子があまりにも美しく、また強すぎるだけなのだ。
そういう女子に罵られ、圧倒されながら、男子たちはやがてその強さに慣れ、
大会では逆に他校の女子を圧倒する強さを発揮してきた。

 もちろん、そういう伝統なので、普段の練習での男子は、
いじめスレスレの環境におかれる。
BF部の性質上、入学当初は、下心丸出しで入ってくる男子がかなりいる。
四月には五十人、六十人といた無垢なる男子たちは、
上級生女子の猛烈なしごきに耐えられず、五月に入る頃には心身ともにボロボロになり、
一人また一人と退部していき、十人ほどにまで減少する。
ひどいものになると、罵られ、搾り取られたショックで、
EDになって二度と立ち直れないこともあった。
 ゆえに、村瀬隆雄という存在は、部の歴史的に見ても、圧倒的な例外、
圧倒的なイレギュラーなのである。

「だから、ね? 私達を満足させてよ。
強い男を相手にしないと、練習にならないでしょ……?」

 顔をくっつくほど近づけ、甘やかにささやくと、麗華は優しく口付けをする。

 キスは、麗華の最大の武器にして必殺技だった。
口腔粘膜へ与えられる刺激は、それ自体をとってみると、微弱な性感でしかない。
それが恋人同士の営みにとって特別な意味を持つのは、まったく心理的な要因による。
 儀式的な宣誓から、親愛の情、信仰の証にいたるまで、
感情の高まりを示すために、人間はキスをしてきた。
それは、自分の顔を相手の顔にもっとも近づける行為であり、
言葉を紡ぎだす器官同士を交接させることによって、
感情そのものを相手に流し込む行為だからだ。
肉体的な性感ではなく、精神的な恋慕の情を掘り起こすのが、
キスという技の特徴だった。
 麗華の美貌を近づけられ、可憐な唇に覆われてしまえば、
その事実を意識するだけで、たいがいの男は脳内を桃色に染め上げられてしまい、
状況把握が出来なくなってしまう。
夢中になった対戦相手のペニスを、麗華はゆっくりと太股などで刺激してやれば、
男が我に返った頃には射精寸前だ。
下手をすると気づかないまま、キスをしながらの射精に追い込まれてしまう。

「ん、うふ、んー……」

 幸せそうに麗華は鼻をならしながら、キスに没頭する。
支援するように、ペニスに張り付いた数人の女子たちも、責めを加速させる。
壮絶な多人数プレイに、一年生の女子たちは息をのむ。

「うふ……ん、ううん……っ」

 だが。
隆雄にとっては児戯に等しかった。
無防備に口腔内へ滑り込んできた麗華の舌は、あっけなく絡めとられる。
それは鎌首をもたげた一匹の蛇だった。獰猛で、狡猾。
麗華に息をつかせぬように、舌を奥へ奥へと引き寄せ、なぶりまわす。
獲物の味をゆっくりと味わいながら、唾液のたまった沼地へと引きずり込んでいく。

 まさかここまで技術に差があるとは思っていなかった麗華は、文字通り舌を巻いた。
とっさの判断で、逃げ出したのである。

「うう、ん、ん……あは、ん」

 蛇は手負いの獲物を見逃しはしない。
麗華の口腔へ、隆雄の舌がするりと侵入する。すでに腕を後ろに回され、
顔を引いて逃げることはできない。
てろてろと歯茎を愛撫したかと思うと、歯門を潜りぬけて歯の裏を愛撫したり、
唇の裏をゆっくりと舐める。
口腔の性感帯を知り尽くしているように、快感を引き出していく。
少しずつ、麗華は勝負を忘れ、隆雄の与える性感をむさぼることに没頭していく。
イヴを堕落させた聖書の蛇のように、隆雄の舌は徐々に確実に女性を快楽へといざなう。
巧妙というより、もはや魔術めいていた。

「んふ……ぷあっ、だめ、そんなにされたら、力が抜けちゃう」

 逆にメロメロにされてしまった麗華を、片腕で支える。
筋肉質な腕の感触を感じ、麗華はますますうっとりとして、言う。

「隆雄君にだけは、勝てないわね」

 答えず、隆雄は唇を再び重ねあわせる。
隆雄の舌は、悪魔のように長い。
女性の口腔の隅から隅まで、好きな場所を自在になぶることができる。
たおやかで柔らかな麗華の舌では、押し返すことも絡めとることもできない。
力が抜け、完全になされるままになった麗華の口腔を、隆雄は舌ごと容赦なく攪拌し、
にゅるにゅるにゅると、めちゃくちゃに愛撫してやる。

「んぶ……んんんんうっ」

 快楽のあまり、麗華は完全に脱力した。
かろうじて、イクことだけはこらえたが、抵抗する力が残っていないのは明白だった。
隆雄は精液の代わりに、たっぷりと自分の唾液を注ぎ込み、
麗華の精力と一緒に根こそぎ唾液を吸い取った。

「んはっ、はあ、はあ、もうだめ、私、死ぬかも……。
ねえ、隆雄君、どうしてそんなにキスが上手いの?」

「麗華も十分に上手だよ」

「私は隆雄君に勝てるぐらい、上手くなりたいのよ」

 麗華のキスは多くの男性にとって、必殺の一撃となる威力を秘めているが、
それは整った彼女の美貌、息遣いや、事前の雰囲気づくりが巧妙なのであって、
キスの技術自体はそれほど卓越しているわけではない。
隆雄のように技術力で圧倒されれば、なす術もない。

「キスはどれだけ舌を上手く動かせるかだから、練習するしかないな。
俺はサクランボのヘタを舌で結ぶところから練習をはじめて、
今では口の中で知恵の輪が解ける」

「知恵の輪!?」

 観客の一年生から、感嘆とも困惑ともつかない声が上がる。
たぶん、幾人かは、ドン引きだろう。
だが、隆雄の実力をその身で思い知らされた麗華は素直だった。

「わかったわ。私、もっと練習する。
いつか隆雄君をキスだけで骨抜きにできるように」

「うん、いい子だ」

 麗華を抱き寄せると、唇を押し付け、優しく愛撫してやる。
 隆雄の太く力強い腕に、麗華は恍惚とした表情で身をまかせていた。
完全に麗華が魅了されたのを見て取ると、
ふとももをなでていた手を、下着へと這わせる。
そして慣れた手つきで下着をずらすと、秘部へ指を侵入させた。

「……っ! っ、っっ!」

 唇が塞がれていて声を出せないまま、麗華はあっけなく果てた。
膨らみきった風船を、小さな針でつついたかのよう。
張り裂けんばかりになった陶酔感が、隆雄の指の一刺しで、破裂してしまったのだった。
 
 力が抜け切った麗華の全身を受け止めるのは、隆雄のたくましい腕。
耳を噛みながら、隆雄はゆっくりと指をなかでうごめかせる。
いろいろなものをキスで吸い取られた麗華は、絶妙の指技に抵抗することもできず、
二度、三度と軽い絶頂へと達する。

(きちんと挿入してイカせてやらないと、可哀想かな)

 そう思って、ふと気づく。
必死で口の周りをべたべたにしながらペニスを愛撫していた、
二年生の女子たちの存在に。
恨みがましい目で、彼女たちは隆雄を見上げる。

「ふぇんぱい……」
「わらしたちのこと……わすれないふぇください」

「す、すまん。うーん、でもどうすっかな」

 一年生に見本を見せるつもりだったのだが、隆雄はぜんぜん感じていない。
上級生の女子たちのテクニックよりもむしろ、
全方向からいっぺんに愛撫されながら、まったく感じるそぶりさえない隆雄に、
一年生たちは驚いているようだった。

 隆雄が逡巡していると、突然、体を突き抜けるような快感が走り、
思わず背を少しのけぞらせた。

「はもはも、ちゅるるっ、じゅるっぽ」

 下品な音をたてながら、それは敏感なアヌスへ吸い付き、強引に快楽を引き出してくる。
ぐりぐりと肛門に舌をねじ込むと、的確に弱点へ舌を忍び込ませ、ねぶりまわす。
ここぞとばかり、二年女子軍団も反転攻勢にでる。いっせいに長大なペニスに吸い付き、
追い込もうとする。
 さすがの隆雄の逸物も、これにはたまらずにびくりと反応する。
といってもせいぜい、ペニスが背伸びをしたというぐらいの動きで、
感じているというには程遠かったが。

「いきなり何しやがる、桃子!」

 後ろを見ずとも、舌遣いでわかる。
こんな真似ができるBF選手は、この学園に一人しかいない。
 BF部部長、犬飼桃子。
BF部の選手で、隆雄を口だけで射精させることが可能なのは、
今のところ彼女だけだ。
舌技ならば、全国大会でも桃子と肩を並べられる選手は、
片手で足りるほどの数しかいないに違いない。

「ぺちゃ、ちゅっ、隆雄がまた調子に乗ってたから、お仕置き」

 睾丸と肛門の間、俗に「ありの門渡り」と呼ばれる性感帯に舌を這わせながら、
桃子は言った。

「二年ども、どきな。私が手本を見せてやるよ」

「ちょ、お前なあ……」

 隆雄は二年と桃子に挟まれて、困惑顔だ。

「一年にフェラの手本見せるんだろ? 部長である私の出番じゃない?
隆雄相手に二年の技じゃ、見本にならないでしょ」

「遅刻しておいて、今更部長づらかよ」

「BF部の部長だからね。遅いほうがいいに決まってるじゃん」

 くだらない親父ギャグを言いながら、二年生から隆雄のペニスを奪い取る。
二年生の何枚もの舌で半時間も研磨されていたペニスは、
唾液でふやけたようになっていたものの、芯は鉄棒のように堅かった。

「うーん、隆雄のモノ、いつ見てもすごいな。美味しそう……」

 遊び人然とした顔に、悪戯っぽい笑みを浮かべて、
ペニスを焦らすように舐めあげる。

「こんな化け物、一年や二年が相手にできるわけないじゃん」

 ねろねろと巧みな舌さばきでカリの周りを責めていく。
二年女子とは一線を画す技術。
BF部のほかの男子なら、この時点で大半が昇天してしまう。
さすがの隆雄といえど、少なからず快感を感じる。

「隆雄の、はぁ、逞しい……ん……はぁ」

最大限まで昂ぶった勃起を、桃子はうれしそうにねぶっていく。
巨木に巻きつくツタのように浮き出た血管を、ねろりと舐めあげ、
陶然とその香りを嗅いだ。

「すごい匂い。強い、とても強い雄の匂いがする、あぁ」

 桃子は鼻を押し付けてふんふんとやりはじめた。
くすぐったいばかりで技巧もなにもあったものではないし、
そもそも二年女子たちの唾液が揮発して相当臭いはずだ。
 臓腑を隆雄のフェロモンで満たさんという勢いで、
たっぷりとその臭いを吸い込んだあと、唇を舌で舐めながら、言う。

「でもね、隆雄。そんな雄を食べちゃう雌は、もっとずっと強い、って思わない?」

 にいぃっと、ビッチな感じに顔をゆがめながら、大きく口をあける。
獲物を前にした肉食獣のように大量の唾液がたまり、
肉付きのいい唇をつたって、ぼたぼたと零れ落ちた。

 じゅぽおうっと銜えられ、直後に舌による熱烈な歓迎をうけると、
さしもの隆雄もたじろがずにはいられない。
桃子の舌は長く、器用である。
さすがに隆雄と正面からキスや69で勝負をすると分が悪いものの、
隆雄がキスだけで堕とすことのできないBF部の選手は桃子だけだ。

「んふ、じゅる、じゅるっぽ、じゅ、ずっ、ぶちゅっ……」

 いやらしい音を立てて、高速ピストンをはじめる。
桃子のすごいところは、どれだけ速く前後運動しても、
舌の動きがいっこうに衰えないことだ。
長い舌であればこその芸当である。
その動きをサポートするように、睾丸をぐにぐにとマッサージし、射精をうながす。

 まるで溶けるような快感だった。
このまま無抵抗にフェラを受け続ければ、
本当に溶けてしまうだろう。
桃子という肉食獣の口の中で咀嚼され、快楽の胃液で消化され、
精力を根こそぎ食われてしまうに違いない。

 一年生はもちろん、二年生の女子たちも、その動きに見入っていた。
自分勝手で協調性がない桃子でも部長がつとまるのは、
ただ彼女の技術が卓越しているからにほかならない。
遅刻しようが軽口を叩こうが、性技において勝る者が、正義なのだ。それがBF部である。

「さすがに、くっ、上手いな……!
だが、もう十分に手本は見せただろう」

 そう言いながら隆雄は、ひざまずいてフェラをする桃子の乳房へ手を伸ばした。
肉食獣は、より強い肉食獣に喰われる定めにある。
隆雄は狩る側の獣だった。

「ん、うう……」

 銜えながら桃子はうめいた。

 仁王立ちフェラの体勢は、一見、女性がかしずいているように見えるが、
BFにおいてはきわめて男性に不利である。
BFの公式ルールでは、感じていない相手を力ずくで押さえつけたり、
振り払ってはいけないと定められている。
立った状態で責められる場所はほとんどないので、
普通は、仁王立ちフェラからは腰を引いて逃れるしか方法はない。
しかし逃れる際にできた隙を利用して、
女性は次の体位を決めるイニシアチブを握ることができるし、
心理的にも優位に立つことができる。

 だが隆雄はあえて逃げず、その体勢から身をかがめ、フロントホックを器用にはずす。
桃子のブラサイズはEカップだ。
日ごろからの鍛錬で乳責めにも強く、隙のない美巨乳……のはずだが、
隆雄にしてみれば、そんな魅力的な性感帯をぶら下げてひざまずくなど、
責めてくださいとお願いしているのと同じだった。
 乳肉の柔らかな感触を楽しみながら、優しく責めあげていく。
中指を振動させ、ローターのような動きで乳首を責めると、桃子は身をくねらせた。

「ん……んくっ、じゅるるっ」

 させじとペニスに舌を巻きつけ、一気に吸い上げる。
得意のバキュームフェラだ。
快感のあまり、思わず愛撫の手を緩める、
……というのは普通の男の話だ。
苦し紛れの反撃など、隆雄は毛ほども感じない。
 フェラに没頭する桃子の乳首をきゅっとつまみあげ、少し痛みを感じるほどひねった。

「んあっっ!」

 耐えられなくなったのか、間抜けな声をあげて桃子はペニスを吐き出した。
すかさず桃子を抱きかかえ、押し倒す。
後ろ側には、マネージャーがいつの間にか用意していたマットがあった。

「相変わらず乳首が感じやすいな。その弱点、大会までには克服しろよ」

「……したわよ。毎日、寝る前にはローターで乳首鍛えてるし、
男子に何時間責められたって我慢できるわ」

「それにしちゃ、えらくあっけなかったじゃないか」

 隆雄が指摘すると、すねたように桃子は目をそらした。

「隆雄のをしゃぶりながらだと、なんか上手く我慢できないのよ」

 相変わらず可愛い女だ、と隆雄は思った。

「じゃ、フェラの見本のついでに、今日は正常位での責め方も実演しようか」

「ちょ、ちょ、ちょっと、まっ……あ……」

 桃子のそこはすでにぐしょぐしょだった。
というか、垂れて少しマットにシミができていた。
乳首責めが気持ちよかったのか、それとも隆雄のペニスをしゃぶって興奮してきたのか。
いずれにせよ、防御面ではまだ改善の余地があるな、
と隆雄は心の中でつぶやきながら、
二年の女子と桃子の舌で鍛えられ、ガチガチになったものをあてがう。

「待つもなにも、準備万端じゃん。いくよ?」

 大蛇の頭のような亀頭の感触を感じただけで、桃子はぶるりと全身を振るわせた。
桃子には確信があった。
それを入れられれば、どうあがいても自分に勝ち目はない。
そのモノのもたらす快感を、桃子は嫌というほど思い知らされていた。
BF部員としての闘志を奮い起こそうとしても、快楽への期待がそれを押しつぶす。
卑怯だ、と思う。
天から授かった、理想的な大きさの逸物。
何十人、何百人という女が、そのもたらす快楽に抗しきれず、
堕とされていったに違いない。
伝説上の妖刀のように、犠牲者たちの愛液を吸って、
黒々と淫水焼けし、さらに強く逞しく成長していく。
勝てるわけがない。
それを突き立てられれば、どんな女であれ、イクしかない。
シナリオの決まった戦いのようなもの。どれだけ途中経過で善戦しても、
結果は決まっている。
いうなれば、闘牛士に向かっていく暴れ牛だ。
いくら抵抗しても、最後は槍を突き立てられて、闘牛士に倒されると決まっている。
だが、桃子にも意地があった。
そう簡単にイッてなどやるものか。必ず一矢を報いてやる。

「今日は、今日こそは、負けないから」

「ああ。期待してるぜ、部長。そらっ」

「う、入ってくる……あ、はあっ」

 苦しさと快感、悔しさ、我慢、様々なものが入り混じった複雑な表情を浮かべ、
桃子は唇をかみ締めている。
隆雄のペニスからもたらされる快感に、早くもBF部員としての仮面が剥がれ落ち、
本能が顔をみせはじめている。
 だが、隆雄とて無事ではない。
桃子の膣内は、とろける果実のごとくやわらかく、そして熱い。
セックスのためだけにひたすら鍛えられた桃子の筋肉が、膣を引き絞り、
侵入者の耐久力をあっという間に奪っていく。
なみの男ならば、一分も持たずにお陀仏だろう。

「膣内も鍛えてるようだな。感心感心」

 余裕綽々で微笑む隆雄を見て、桃子は内心で歯軋りした。
この表情を快感で歪ませてやる。
悔しさをばねに、桃子は肛門から膣へむかって、気合を入れる。
肛門、尿道、膣の三つの括約筋はつながっており、8の字筋と呼ばれている。
肛門に力を入れて締めることで、
鍛錬した者の膣括約筋は自在に収縮させることができる。
桃子の意志に従い、膣は急激に締まり、ぎりぎりと強大な侵入者を圧殺しようとする。

「余裕こいてられるのも、今のうちだよ」

「ふうん……?」

 このぐらいで隆雄が参るわけがないことは、桃子もわかっている。
だが今日は、切り札があった。

「うっ、お、おお……これは、すごい」

 桃子の膣内は凹凸が激しい。特に根元の部分の凹凸は、
膣を締めるとペニスの根元にがっちり喰らいつく。
肉食獣のあぎとにも似て、獲物をそこで固定したあと、奥の凹凸で咀嚼するのだ。
桃子はこれをさらに鍛えることによって、
それぞれの場所を好きに締めたり緩めたりできるようになった。
膣口を締め、奥を締め、膣口を緩め、奥を緩め……
あたかも吸水ポンプのように、膣が動く。

「どう? 気に入った?」

「なんか奥へ、引きずり込まれる……っ」

「私、バナナを好きな大きさに輪切りにできるんだよ。膣のこの動きでね。すごい?」

「う、くおお、くそっ、くっ」

「だめ。逃がさない。
隆雄のバナナも快楽でばらばらにしてあげるから、覚悟してね」

 はじめて、隆雄が守勢に回る。
観客の一年と二年がどよめく。桃子を応援する声が、女子たちからあがった。

「ほらほら、もっと奥へきてよー、隆雄!」

 だが、無理な攻勢はそう長く続かない。
強く締め付けるのは、強く擦られることも意味するからだ。
筋肉のついた腕のようにボコボコと膨れ上がった隆雄のペニスは、
めくれ上げるほどの勢いで、桃子の膣内を往復する。
快楽が蓄積され、精神で筋肉を統御するのも限界が近づいていた。
びりびりと腰が震え、目にはいつの間にか涙がたまっていた。
 わずか一瞬、肛門を締めるのが弛む。

「そんなに奥に入れてほしいなら……」

 その隙を見逃すほど、隆雄は甘くなかった。
桃子は、あわてて力を入れなおそうとするが、もう遅い。

「突きこんでやるよっ!」

 足を抱え、隆雄は体を傾けて深く挿入する。
そして到達する。長いペニスの持ち主だけが刺激できる、隠された性感帯、ポルチオへ。
 ひっ、と桃子が不自然な呼吸をする。
ごつ、ごつ、ごつごつ、と子宮口の近くを亀頭がノックするたびに、
電撃のような快感が全身を駆け巡る。
ちらちらと視界が白めき、体が精神の制御を離れていく。

「あっ、あぅ、あっ、あああーーーーーーっ」

 完全に攻守が逆転する。
いや、最初から、桃子が攻めていたわけではなかった。
女子に見本を見せるという目的のために、花を持たされただけなのだ。
 快楽に耐えるために、背中へ手を回し、爪を食い込ませる。
傷害行為にあたるので、公式大会では反則だが、隆雄はそれをとがめなかった。
首を振っても唇をかみ締めても、快感を追い出すことができないと悟ると、
目の前の雄の厚い胸板にしがみつき、
鼻を押し付けて汗とフェロモンの香りを吸い込んだ。
潔く負けを認めて、一匹の獣として振舞うことを選んだのだった。

 隆雄も、獣のように桃子を犯す。
BFのためだけに鍛えられた腰のばねは、快楽で叩き潰さんばかりに力強く、
逸物を膣へ押し込んだ。
もう桃子が耐えられるわけがなかった。
隆雄の腕の中で、雷に打たれたかのように震える。
そこに審判がいたなら、一本勝ちを宣言しただろうが、ここは部室だ。
止める者は誰もいない。
隆雄は必死で立ち向かってきた桃子に報いるために、
与えられる限りの快楽を与えるつもりだった。

「ひっ、隆雄、負けた、負け、私の負けぇっ!」

 聞き入れるつもりはなかった。
全身が揺すられるために、たまっていた涙がぼろぼろとこぼれおちる。
それは悔しさのためだけではないはずだった。
隆雄のペニスはまだぜんぜん余裕だった。
膣内を攪拌し、最後の理性までことごとく打ち砕いてやる。

「ふぐっ、なんでやめてくれないの、ああ、やめて、ああーーーっ」

 二度、三度と桃子は絶頂に達した。
もはやBFではなく、陵辱だった。桃子もプライドを捨てて完全に快楽に酔っていた。

「死ぬ、死ぬ、ああ、またイクっ」

「負けたんだから死ねよ、殺してやるよ……っ」

 BFに負けたものは、死ぬのが道理である。例え、練習であったとしても。
槍に刺された牛が倒れるように。

「……殺してっ!」

 ひときわ深く突きこんだところで、桃子は潮を吹きながら絶頂した。
今までにない、痛いぐらいの力で締め付けてくるが、
もちろん、そんな力任せで隆雄がイクわけもない。
逞しい隆雄の体躯の下で、桃子の四肢は死んだように動かなくなった。

「また、勝てなかった……」

 うわごとのように、桃子が力なくつぶやく。

 桃子の中から、ずろろっと隆雄のペニスが抜かれる。
入れる前と同じ様に、逞しく反り返るそれを見ながら、桃子は悔しさに歯がみした。

 桃子はBF部に入る前、典型的な問題児だった。
荒れ、遊び、怠け、金がなくなれば援助交際をして、また遊んだ。
しかし、金で体を支配される気はなく、桃子は挿入をする前に、
男たちをひたすら口でイカせつづけた。
才能も手伝って、その舌技は勃たなくなった男をも復活させる、
ある種の神業の領域に達し、彼女は貞操を守り続けた。
そんな彼女がはじめて口でイカせられなかったのが、隆雄だった。
隆雄は失意の彼女を犯し、処女を奪い、さらに長い時間をかけて、さんざんイカせた。
怒り狂った桃子は隆雄にBFでリベンジを挑み続け、いつの間にかBF部に入り、
真面目に通学するようになって、熱心にBFの練習に打ち込み、ついに部長に納まった。
そして、いまだに隆雄にリベンジを挑み続けているのだ。

「あ、でも部長、これ、見てください」

 白くほっそりとした指が、隆雄のペニスの鈴口に触れる。

「すごいですよ、部長。ほら、隆雄君が先走りを流してます」

 そう言うと、麗華は指についた粘液をぺろりと舐めた。

「さすが部長ですね」

「そんなので褒められても、嬉しくない……」

 足腰立たなくなった男子達と一緒に、マネージャーのマッサージを受けながら、
桃子がうめく。
とはいえ、二年女子が総がかりで責めても
まったく感じるそぶりすら見せなかったのだから、
少しでもダメージを与えられた桃子の技術は、やはりたいしたものだといえる。

「部長。部長の仇は、副部長として私が討ちますから、ご安心ください」

 軽くイカされてから生殺し状態だった麗華が、隆雄にぎゅっと抱きつく。
入れて欲しいのだろう。桃子との戦いを見て、麗華は股から滴らんばかりに濡れていた。
が、これには二年が抗議の声をあげる。

「副部長ー!」「副部長は村瀬先輩にイカせてもらったじゃないですか!」
「私達はまだ触ってもらってないんですよ!」

 二年の中でも特に巨乳の子が、隆雄の顔にバストを押し付けてきた。
うぷっ、と隆雄が珍しく戸惑いの声をあげると、それを合図に次々と二年が殺到し、
我先に自分の体をこすりつけてくる。

「わかった、わかったから。全員、手合わせしてあげるから、とりあえず離れて」

 そう言って、隆雄は麗華の尻を抱き寄せると、後背位でペニスをあてがった。

「じゃ、まずは副部長から。膣のほうの訓練の成果、見せてもらうよ」

「あん……」

 嬉しそうな声をあげる麗華。勝負をする気があるのだろうか?
麗華の場合は、嬉しそうにするのが戦術の可能性もあるが、
ナカは締め付けるというよりも、隆雄のペニスを味わうようにうごめいていた。